2001年
アメリカ同時多発テロ

イスラム原理主義テロ組織のネットワーク「アルカーイダ」によって引き起こされたテロ事件です。
旅客機4機がハイジャックされ、うち2機はニューヨークに建つ2つの世界貿易センタービルに突入、1機はワシントンD.C.にある国防総省ビル「ペンタゴン」に突入し、1機は事件を知った乗客らによって犯人を取り押さえようとして争いになり墜落しました。死者行方不明者は約3000人という史上最悪のテロ事件です。
世界貿易センタービルへの突入は人々の見ている前で起こり(特に2機目の突入は1機目の事件後に炎上するビルの中継映像で世界に配信されている中で起こった)、2つの超高層ビルは火災による高温の熱に耐えられず崩壊。旅客機の乗員乗客、ビルで働いていた人、警察官、消防士らを巻き込んで大勢の犠牲者を出しました。一方、大戦中に作られたペンタゴンビルの方は、ブロック構造で鉄筋が張り巡らされており、一部の破損にとどまっています。
この事件は、過去に類のない規模のテロだったため、世界中に衝撃を与えましたが、アメリカ政府による自作自演の陰謀だとか、UFO目撃話が広がり、宇宙人が関与したといった妙な話まで出てくる始末。それまでの冷戦期の「構図」からあまりにも逸脱していることが、おかしな解釈に走る人々を生んだのかもしれません。
事件の背景には、かつてアメリカがアフガニスタンなどで対ソ連のために育成したイスラム原理主義勢力との対立がありました。同勢力が拠点を置き、政権を持っていたアフガニスタンは、テロ後にアメリカ軍の攻撃を受け、以後長期に渡る戦争になったほか、のちのイラク戦争にも間接的につながっていきます。
国家間同士の戦争から、国家対国際テロ組織という構図を認識させることになった、まさに混乱の21世紀の始まりを象徴する大事件となりました。

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