1966年
英国海外航空機空中分解事故

英国海外航空(BOAC)の911便、ボーイング707旅客機が富士山上空で空中分解。124名全員死亡した大惨事です。
世界周航便だった同機は、ホノルルから福岡(羽田濃霧により福岡にダイバートしていた)を経て羽田に到着し、そのあと香港へ向かうために、羽田空港を飛び立ちました。実は、前日、濃霧の羽田空港にカナダ太平洋航空のダグラスDC-8が着陸に失敗し炎上する事故があり、その無残な残骸が散らばる横を離陸して行きました。そして同機は、富士山付近の上空を通るコースを飛行しましたが、御殿場市上空1万5000フィートで空中分解。ばらばらになって富士山麓の斜面、標高1300mほどの太郎坊付近に落ちました。
空中分解した原因は、富士山という巨大な単独峰の上空に、北西側から流れてくる強い気流で起こる独特の山岳波による乱気流。そのパワーは強力で、機体は引き裂かれ、翼中の燃料タンクが破壊されて燃料が機首付近に移動し炎上しました。このためフライトレコーダーは破壊されています。
東富士演習場の自衛隊員や、富士スピードウェイの報道関係者などによって目撃され、状況は比較的よくわかっています。また、のちに乗客が墜落直前に撮影していた8ミリカメラが発見され、その内容(機体が崩壊していくところで終わっている)も事故の状況を明らかにしました。
山岳波の研究は進み、気象や航空路の調整により、現在ではこのような事故は考えにくいと言われています。


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