1965年
チャガン核実験

ソ連で人造湖を作るための地下核爆発実験チャガンが実施されました。核出力は140kt。
場所はセミパラチンスク核実験場の近くにある、チャガン川で行われました。この川は普段は涸れ川ですが、核爆発でクレーターが生じれば、そこに春の出水で水がたまると考えられたわけです。その水で大規模な灌漑を行うことが可能になる、という実験でした。
浅い深度で核爆発を起こし、直径408m、深さ100mのクレーターが生じ、予定通り水が流れこんで、1000万立方メートルの湖が誕生しました。チャガン湖、あるいは原子の湖、と呼ばれています。実験の目的に即し、汚染の度合いや、動植物を放って調査しますが、多くが死滅。土地は豊かになるどころか、荒廃は加速しました。言うまでもなく、放射性物質に汚染されていたからです。
しかし当時、これは平和的な核実験の成果であるとしてソ連政府の宣伝に使われました。この時代は、ソ連だけでなく、アメリカでも、現在は反核の国であるドイツでも、核爆発を大規模な土木に使えないか検討されていました。大規模な発破を一度で行える方法と思われていたわけです。
チャガン湖は今でも汚染されたままとなっています。

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