1903年
グァンタナモ米軍基地の永久租借

アメリカと激しく対立する国家キューバ。近年ようやく関係改善の機運が出てきつつありますが、そのキューバの国内に、なぜか昔から敵であるはずの米軍基地があります。キューバ島の東南部にあるグァンタナモ湾の湾岸、116平方kmの一帯が、アメリカのグァンタナモ米軍基地になっているのです。ここはアメリカの租借地。もちろん、今のキューバから租借したのではなく、1898年に米西戦争でスペイン領だったキューバ島をアメリカ軍が占領し、戦争の結果独立したキューバ国がアメリカ合衆国にグァンタナモ米軍基地の永久租借を承認したものです。アメリカの植民地や領土ではなく、あくまで主権はキューバ。租借地ですから租借料がかかり、年金貨2000枚(現在の約4000ドル)。
その後、キューバは革命が起こり、カストロ政権が誕生します。カストロは権力を握った直後は、米国との関係の維持も模索していました。アメリカも、基地租借料を払いました。キューバ政府は1回受け取っています。しかしアメリカとの関係が悪化し、ソ連に接近して以降は、アメリカの租借を非合法と主張するようになり、以後は受け取っていません。
基地の周りは地雷原となり、キューバ側からは近寄ることが出来ません。しかも租借地には基地しかないため、皮肉にもキューバにあるここが、アメリカの基地で最も秘密性の高い場所。
そのため、不法難民の収容所や、同時多発テロ以降には、アラブ系やイラク人などを長期間拘束しておく場所に使われ、大きな批判を浴びました。グァンタナモ収容所とも呼ばれています。

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