2009年
H-IIBロケット打ち上げ
JAXAが運用している大型ロケットがH-IIB。大型ロケットH-IIAをしのぐ性能を持った後継機ですが、現時点では併用されています。低軌道へ19,000kg、静止トランスファ軌道へ8,000kgを投入する能力があります。打ち上げ費用もH-IIAより大幅に下がっており、宇宙ビジネスでの競争能力もあります。
この初号機打ち上げの際に輸送されたのが、宇宙ステーション補給機(HTV)初号機。HTVは「こうのとり」という愛称が付けられました。
計画通り、国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、物資を補給した上で、廃棄物を積み込み、大気圏に突入して輸送船ごと焼却しました。補給と廃棄が欠かせない宇宙ステーションにおいて、スペースシャトル引退後の主要な輸送機の一つとして国際的に重要視されています。また物資の搬出搬入を人手で行えるように、大きな搬入口と気密室が設けられており、その輸送能力の高さからも、有人宇宙船への改装が可能だと言われています。
しかし民主党政権時代には、この新たな輸送船のもつ大いなる可能性よりも、ムダの方を重要視し、予算削減の方向に動きました。今後、資源の獲得や安全保障上の問題から、宇宙はより現実的な存在として主要国はいずれも注目していますが、その将来に向けた広い視野が無かったのかもしれません。もっとも予算削減は、ロケットに限らず科学技術の広い範囲で行われました。
2016年末時点で、6機が打ち上げられ、いずれも成功しています。今後も「こうのとり」の輸送を中心として、他の衛星を抱き合わせで運ぶ計画が立てられているようです。
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