1284年
ハーメルンの笛吹き男事件

ヨーロッパの童話の中には、夢あふれるものもありますが、多くは人間性をあらわにする残酷な話が多いと言われています。そのなかの一つに、ハーメルンの笛吹き男の話があります。
ハーメルンの町に「ネズミ捕り」を名乗るカラフルな道化師のような格好の男が現れ、ネズミの害に苦しむ町の人と報酬の契約を結びます。男が笛を吹くと、ネズミが集まり、男のあとについて行き、川の中で溺れ死んでしまいます。男は報酬を求めますが、町の人々は約束を破り、報酬は与えず男を追いだしてしまいます。怒った男は住民が教会に行っている間に戻ってくると、笛を吹いて、街の子供達を誘い出し、そのまま町外れにある山の洞窟へと連れ去り、二度と帰ってきませんでした。
この童話は、多くの他の童話と違い、実際の事件が元になったと言われています。1284年、130人の子供が、笛吹き男なるものに連れ出され、消息をたったことが、ほぼ同時代にすでに記録されているためです。この事件の真相はよく判っていませんが、話は広く流布しました。
現在、推測されているものとして、猟奇的大量殺人事件、具体的な山や川の名があることから洪水や土砂崩れなど自然災害による遭難、子どもだけが居なくなるということで、少年十字軍の兵士として騙されて連れ去られた、東方植民をすすめる人物に誘われて旅立った、笛吹き男が派手な格好をしており悪魔に擬されていることから何かしらの疫病によって子どもが多く亡くなった、といった説があります。

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