1929年
阪急百貨店開店

関西の老舗百貨店の一つ、阪急百貨店は、日本初のターミナルデパート。
つまり、鉄道会社が直営する駅に隣接したデパートのことです。
阪急(阪神急行)の創設者小林一三は、東京日本橋の百貨店「白木屋」と提携して、梅田駅に出張店舗を設立します。その利益を調査し、契約終了後に自社でのデパート経営に乗り出しました。1925年6月1日、阪急梅田駅に隣接して建てた阪急ビル(梅田阪急ビル)に直営のマーケットを開業。これを大幅に拡張してデパートに切り替え、それまで呉服屋系が基本だった百貨店の中で、日本初の鉄道系ターミナルデパートを生み出したわけです。
日本ではデパートと鉄道は密接に関わっており、鉄道系ではない店舗でも、三越が三越前駅・銀座駅、松屋が銀座駅、白木屋が日本橋駅、明治屋が京橋駅、松坂屋が上野広小路駅の設置に関わっており、また、1926年(大正15年)9月16日には大阪電気軌道(現近畿日本鉄道)上本町駅の大軌ビルディングに三笠屋百貨店が、1931年(昭和6年)11月1日には東武浅草駅に松屋が、1934年(昭和9年)11月1日には渋谷駅に東横百貨店(現東急百貨店)、1932年(昭和7年)7月15日に南海難波駅に髙島屋が、1937年(昭和12年)11月に阿倍野橋駅に大鉄百貨店(現近鉄百貨店)が設立あるいは入居しています。これらは大衆食堂や屋上遊園地など独自の観光集客施設としても発達しました。

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