モンテ・クリスト伯(巌窟王)

『モンテ・クリスト伯』は、復讐譚を描いたアレクサンドル・デュマ・ペールの小説。明治30年台に黒岩涙香が『巌窟王』の題名で翻訳したことから、日本では巌窟王でも知られている。
一等航海士のエドモン・ダンテスが、彼を邪魔に思った者達の陰謀で、無実の罪で投獄される。その間に家族は死に、婚約者も奪われてしまう。ところが、獄中で知り合ったファリア神父からモンテ・クリスト島にあるイタリア貴族が遺した莫大な隠し財宝のことを教えてもらう。神父が病死したあと、その遺体を替え玉に利用して脱獄したダンテスは、財宝を入手。陰謀を調査し、イタリアの貴族モンテ・クリスト伯を名乗って、パリの社交界に姿を表す。そして自分を陥れた者たちへの復讐を開始する。
この復讐譚は、何度も映画や舞台、マンガにもなったが、その内容やネタ自体が、数多くの作品に翻案された。
吉田巌窟王事件は、冤罪で投獄された吉田石松が屈せずに無実を訴え続け、それに協力した新聞記者が『都新聞』に「今様巌窟王事件」として紹介したことに始まる。50年後の1963年に無罪判決が出た際も、裁判長は彼をエドモン・ダンテスになぞらえて謝罪した。

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