1979年
ネズミ講防止法施行

正式には、無限連鎖講の防止に関する法律。
無限連鎖講というのは、会員制の収益組織のこと。具体的には、団体を設立し、入会した会員には上納金(もしくは何かしらの商品の購入)を義務付ける一方、新たに会員を勧誘すれば、新会員は勧誘した上位会員へ納金する(もしくは勧誘した分配当金を得られるようにする)ことで、収入が得られる仕組み。会員が増えれば増えるほど、古い会員の収入も大きくなっていきます。
そのため、会員になったものが、さらに会員を募り、その会員がさらに……、と無限に増えていくので、無限連鎖講というわけです。多産のネズミがどんどん増えるのになぞらえて、ネズミ講とも言います。
理屈では、商業や生産をしなくても、人数がどんどん増えるので利益は上がり続けるはずですが、実際はお金のかかる勧誘なんてそう簡単にはいきません。それに人類の数は有限。いずれ破綻します。しかし理屈上は利益があるため、詐欺とはなりませんから、詐欺罪で規制はできません。そこで新たに規制が必要になりました。
特に無限連鎖講を始めた天下一家の会事件が直接的な影響をもたらし、1978年11月11日に法律が公布され、この日施行されました。
もっとも、似たような事件は、これ以降もあとを絶ちません。最も身近な欲望に直結する経済犯罪はいつの時代も出てくるわけです。
なお、講というのはもともと、宗教行事や特定の目的のために設立するメンバーの相互扶助組織のことです。

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