1997年
ナホトカ号の遭難

強い風と波の中、隠岐諸島近海で、ロシアのタンカー「ナホトカ」が船体が折れて沈没しました。
搭載していたC重油約19000キロリットルのうち、約6240キロリットルが流出。また折れた船首が沈まずに漂流。
重油と船首は、専門家の予想を外し、福井県の三国海岸に漂着。重油はさらに日本海岸沿いに広範囲に流れ着きました。
7日の漂着当日まで、事態を把握していなかったこともあり、国も関係地方自治体も対策が遅れました。
自衛隊と海上保安庁が組織的に回収作業を行い、全国から多数のボランティアが駆けつけました。
海上が荒れていたこともあり、海岸での作業以外の海上での作業が困難で、しかも寒風吹きすさむ中での作業により、ボランティアにも犠牲者が出る事態になりました。他にも一部ボランティアの態度に批判が出るなど、様々な問題が出ており、ボランティア活動の意外な難しさも明らかになった事故でした。
船体の大部分は海底に沈み、重油回収が出来なかったため、現在もすこしずつ漏れています。しかし重油は微生物の作用などで自然に分解するため、大きな問題にはなっていません。汚染された海岸もその後回復しています。

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