861年
直方隕石(のおがたいんせき)の落下

旧暦では貞観3年4月7日の出来事です。ユリウス暦では5月19日。
この夜、筑前国で突如辺りが光り輝いたあと、武徳神社(現・須賀神社)という神社の境内で大きな爆発が起こります。
人々が駆けつけて調べてみると、地面に開いた穴から焼け焦げた石が出てきました。人々は天から降ってきた石だというので、これを箱に収め、神社に奉納しました。
地元ではその言い伝えが残りますが、もちろん、世間一般に知られていたわけじゃありません。最初に科学的に調査したのは山田邦彦博士による大正11年の調査だといいます。その後、1979年、ラジオで隕石の話が流されたことで、村山定男国立科学博物館理化学研究部長の鑑定を受け、正式に隕石と認められました。記録に残る世界最古の隕石とされています。
実は神社とか地名には隕石ではないかと思われる名前があります。名古屋の星宮社、岡山県井原市美星町、広島県の星居山、愛媛県松山市星岡町などなど。隕石は毎年かなりの数が地球へ降ってきているといいますが、ほとんどが人のいない大洋などに落ちるため、わからないといいます。しかし長い人類史の中には、隕石落下が目撃された例は幾つもあるのです。

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