1957年
ICBM出現

ソ連が世界で初めて大陸間弾道ミサイルR-7(セミョールカ)の発射実験に成功しました。
ロケットは1920年代に各国で研究がスタートしましたが、実用化したのはナチス・ドイツでした。フォン・ブラウンなどの民間ロケット研究者の技術を採用し、弾道ミサイルV-2を実戦に投入しています。事実上最初に宇宙へ達した物体はこのV-2でした。
ドイツ降伏の前後、米ソ二大国はドイツの技術者を根こそぎ連れて行きました。技術体系は大きく2つに分かれ、アメリカが単独の大型化を目指したのに対し、ソ連は中型ロケットを束ねる方向で大型化しました。ソ連の技術のほうが先に実用化され、人工衛星の打ち上げ、有人ロケットは、ソ連が先に成功しています。
実は、これら宇宙ロケットはこのR-7ミサイルから派生したロケットです。原爆を搭載して輸送する飛行兵器として研究され、3回の実験に失敗した後、6000kmの飛行に成功しました。
ソ連がICBMを開発したのは、ロケット技術の保有の他、長距離爆撃機でアメリカに劣っていたこと、アメリカの周辺に衛星国を持っていなかったことがあります(逆にアメリカはソ連の周辺に中短距離ミサイルを配備できる同盟国があった)。
R-7は発射までに時間がかかり、長時間発射態勢を維持できず、大型で発射台も目立ち隠すのが難しく、配備数がわずかで、ICBM開発に成功したアメリカに及ばなくなったことから、1968年までに廃止されました。しかし民間ロケットはR-7から様々に発展し現在に至っています。むしろ宇宙開発という意味で大きな業績を残したロケットと言えるでしょう。

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