１８３０年
イギリスで世界初の鉄道・リバプール・アンド・マンチェスター鉄道が開通
貿易港のリバプールと工業都市マンチェスターを、軌道輸送路で結ぶことで、運輸に使えないかという地元の要望から生まれたのが、世界最初の鉄道会社、リバプール・アンド・マンチェスター鉄道です。ただし、当初は研究開発中の蒸気機関車が上手く使えるのか疑問も多かったといいます。スチーブンソンの蒸気機関車ロケット号による旅客運行が行われることになります。
開業時には、マンチェスターのリヴァプール・ロード駅と、リヴァプールのエッジ・ヒル駅の間を結びました。 開業祝いの式典が行われましたが、リヴァプールの議員ウィリアム・ハスキッソンが、ウェリントン公アーサー・ウェルズリー首相に挨拶しようと列車を降りたところ、対向線を走ってきたロケット号に轢かれて（※）瀕死の重傷を負い、救急搬送されますが死亡しました。世界最初の鉄道開業日に、世界最初の鉄道死亡事故が起こったわけです。首相らはマンチェスターへ向かうも、同地で労働者の攻撃を受けてリバプールに戻らざるを得なくなるなど、トラブルだらけでした。しかし、鉄道は旅客、貨物両方で人気を得て、瞬く間に路線網は広がっていくことになります。
※当時は現在のような通信によるダイヤ調整が出来なかったため、最初から複線で作られていました。しかし４本の軌道は同じ幅で並べられ、真ん中２本でも使えるようにしていたため、上下の列車は非常に近い間隔で走行したことから、事故になったわけです。なお、当時の列車は現在のものより小型でした。

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