304年
聖アグネスが処刑される

キリスト教世界では非常に著名な殉教聖女の一人。聖アニェーゼ、聖イネスとも呼ばれます。アグネスは英語読み。
彼女は291年にローマに生まれました。一家は上流階級の出身でキリスト教徒だったとされています。
ローマ帝国の「長官」センプロニウスは、アグネスを気に入った自分の息子との結婚を求めますが、アグネスはキリストに仕えるものとしてこれを拒否。まだキリスト教が抑圧されていた時代。ローマの神々に従わなければ娼家へ送ると脅しますが、彼女は受けず、長官は彼女の死刑を宣告。全裸で引き回した上、ローマ法によって処女を処刑できないことから、処刑前にアグネスを強姦するよう命じました。
さすがに残酷な話なためか、彼女は天使の光に包まれ、純潔も守られたということになっています。アグネスは火刑に処されることになりましたが、今度は燃えなかったために(燃やそうとした人に火が襲ったとも)、剣で殺害されました。このことから、彼女は殉教者として列聖され、さらに純潔や少女、さらにレイプされた被害者の守護天使となっています。
日本では馴染みの薄い人物・伝承ですが、キリスト教世界では絵画、音楽、詩、小説などのテーマとしてしばしば登場します。

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