1988年
青函トンネル開通
青森県東津軽郡今別町浜名と北海道上磯郡知内町湯の里を結ぶ海底トンネルで、基本的には鉄道トンネル。長さ53.9kmで、スイスで建設中の全長57kmあるゴッタルドベーストンネルが開通する予定の2018年までは世界一の鉄道トンネルとなります。
消防設備と避難経路となるため、吉岡海底駅と竜飛海底駅の2つの駅が設置されています。一番深いところは深度240m。
JR北海道の管理下にあり、現在は在来線の津軽海峡線が通っていますが、札幌と青森を結ぶ現在建設中の北海道新幹線開業時にはここも新幹線が通る予定。そのため新幹線サイズで掘られており、軌間幅の異なる在来線との関係から、トンネル内は三線軌条(※1)となる予定。ただ北海道新幹線開通後も、上下線で新幹線と貨物列車がすれ違う際に風圧等で貨物列車の事故の危険性を高め、また新幹線が先行する貨物列車に追いつくなどの問題もあり、新幹線の速度を落とすか、ダイヤを調整するか、トレイン・オン・トレイン(※2)を導入するか、別にトンネルを掘るのかで論争になっています。
青函トンネルは、津軽海峡で度々海難事故が起こり、戦争になるとここを封鎖される危険性もあったことから、海底にトンネルを通そうという考えで建設されました。下北の大間と函館を結ぶ海底トンネルの計画案もありましたが、三厩と松前福島を結ぶ現在のルートになりました。
地盤が軟弱で、何度も出水が起こり、重機が沈み込んで動かせなくなるなど、工事は困難を極めました。そのため、先にコンクリートを注入して地盤を固め、そこを掘っていくという特殊な方法を採用しました。合計34名が亡くなっています。現在でも水は湧き出しており、ポンプで排水し続けています。
トンネルの開通により長年親しまれてきた青函連絡船は廃止されました。なお、青函連絡船はこの時点で航空機などに利用者を奪われ、利用率は大きく下がっており、これも廃止の理由となっています。
同年4月10日には瀬戸大橋が開通しており、4島がつながったことによって「一本列島」と呼ばれました。
※1:三線軌条は、片方のレールを共通にして、もう片方に2本レールを敷いて狭軌と広軌の両方の車両が走れるようにする方式。
※2:トレイン・オン・トレインは、新幹線の専用車両に在来線の貨物列車をそのまま搭載して新幹線軌道を輸送できるようにする方式。
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