1987年
超新星SN 1987Aの出現

銀河の伴銀河で南半球で見ることが出来る「大マゼラン銀河」内に超新星SN 1987Aが出現しました。 SN 1987Aは、超新星1987年1番目という意味。サンデュリーク-69°202という三重星の中にあった最も大きな青色超巨星が超新星化したもので、青色巨星の超新星が初めて確認された事例でもあります。この星は爆発前にも観測されてましたが、超新星化の前兆は見いだせませんでした。 超新星の観測は1987年2月23日ですが、実際の爆発は、その地球から16万8000光年(±4000光年)の距離があるため、逆算して16~7万年前くらいと考えられます。肉眼でも観測されたわけですが、何よりこの超新星が注目されたのは、ニュートリノバーストが観測されたこと。 午前7時35分35秒(世界標準時)から、日本のカミオカンデで11個、アメリカ合衆国のIMBで8個、ロシアのバクサンで5個のニュートリノが観測されました。ニュートリノは地球くらいなら簡単に貫通しますが、水分子と反応するとわずかに光を発します。その光を光電子増倍管で捉えるという方法で観測。地球の裏側から飛んできたことも良かったのか、岐阜県神岡鉱山奥深くのカミオカンデで観測できたわけです。これにより超新星爆発の理論の一部が証明され、ニュートリノ天文学という新しい学問が生まれました。 この功績により、小柴昌俊東京大学名誉教授が2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。 SN 1987Aはその後の観測で、爆発によって3つのリングができています。 渦状銀河では超新星は数十年に1回程度出現すると考えられていますが、銀河系では1604年のケプラーの超新星以来観測されていません。出現していないのではなく、地球との間の天体によって地球に光が届いていないだけと考えられます。

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