27億年前
ストロマトライトの最古の化石
ストロマトライトは、藍藻類の死骸と泥が積み重なってできた岩石の一種。藍藻類は泥の上で生息し、その泥を固定化しながら徐々に上へ上へと成長するため、藍藻の死骸と泥が層になっており、これが化石化して岩石のようになります。
地球誕生後、地上が冷えてくると水蒸気が雨となって大量に降り注ぎ、海が生まれました。初期の海は高温で、大気も現在とは全く異なっていました。
そんな中で生命は誕生したわけですが、その年代は諸説ありはっきりとはわかっていません。深海底に住み、過酷な環境でも生きられる初期の生命から、古細菌類と真正細菌が分かれていったと見られます。そして30億年前ころから光合成を行う能力を持つ真正細菌の一種、藍藻類(シアノバクテリア)が現れました。
火山活動によって陸地が出現し、浅瀬が広がったこともその要因とされています。
藍藻類は現在の植物細胞内にある葉緑体の先祖と考えられ、光合成により酸素を発生させます。
やがてこれが大量発生し、海中の酸素が増え、海水に溶け込んでいた鉄イオンと結びついて酸化鉄となり、海底に降り積もっていきました。これが現在の有力な鉄鉱床のひとつ、縞状鉄鉱床になりました。縞状鉄鉱床とストロマトライトの化石は同時代の層に見られます。
酸素が増えたことで、それまで繁殖していた古細菌は生息域を失っていくことになりました。酸素は大気中にも増え、真核生物はこの中で生まれ進化しました。太古の地球で起こった生物による大規模な環境変化だったわけです。
藍藻類は現在でも比較的どこにでもいますが、特にオーストラリアの一部の海域では、捕食者が少なく、ストロマトライトもよく見られます。
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