2000年
有珠山が23年ぶりに噴火

北海道南部にある有珠山は、標高737mとやや低めの、活動の盛んな火山で、過去に何度も大規模な噴火をしています。1910年の明治新山、1944年の昭和新山、そして1977年の噴火は特に大きなものでした。
また、この火山は上記のように2~30年という短期間で定期的に噴火することでも知られ、予知できるかどうか詳細にその状態を観測していました。
2000年3月27日、周辺で火山性の地震が起こり始め、地中の様子を探査したところ、近日中の噴火が予測されます。そこで3月29日、気象庁は緊急火山情報を出しました。間違って責任を問われるより、危険性を重視して予報を出したわけです。有珠山周辺には比較的多くの人が住んでおり、一度大きな噴火が起こると、犠牲者を出す恐れもありました。気象庁の火山情報を受け、壮瞥町・虻田町・伊達市は、住民1万6千人あまりを避難させました。北海道大学は具体的に時間も指定して予測。住民も、頻繁に噴火することを知っていることから、避難に従いました。
そして、見事に3月31日午後1時7分、西山山麓から噴火が始まり、周辺で次々と新たな火口が出現。そのいくつかは住宅地のすぐ近くから起こっており、噴出物で複数の住宅が破壊され、熱泥流で学校や橋などが破壊されました。噴火前に火山情報が出されたのは初めてであり、完全に予測できた噴火でもありました。
噴火は短く、9月にはほぼ終息しました。

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