1898年
『宇宙戦争』発刊
この年、SF小説の古典的名作『宇宙戦争』が発刊されました。作者はH・G・ウェルズ。
物語はイギリスが舞台。突如空から落ちてきた火星人が、侵略攻撃を始める物語。単なる荒唐無稽な空想小説ではなく、非常事態での人間同士の醜い欲望や争いなどを描き、むしろ火星人の侵略というのは舞台装置で、社会風刺の要素が中心とも言える作品(※1)。
その一方、タコのような火星人のイメージや、ロボット兵器の元祖とも言えるトライポッド、思わぬ理由で火星人が全滅してしまうオチまで、後の様々な小説や映画に影響を与えました。
この作品自身、何度もドラマ化、映画化されており、1938年のラジオドラマは本気にした人々にパニックを引き起こしました。
ロケット研究者ロバート・ゴダードは16歳で本作を読み影響を大きく受けたといわれており、実際の科学の発展にも影響したといえる作品です。
※1:多くの映画化作品では、むしろ娯楽映画として脚色されていますが、2005年のスピルバーグ監督作品は、逆に原作の人間同士の争いを大きく押し出した作品となっています。
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